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STORY

新規事業 無人店舗(con-tech)

当社が培ったICT技術を活用し、無人店舗を開発。
より豊かな暮らしに向けて、社会実装を目指します。

2019年6月3日、AIによる画像認識技術を取り入れた無人店舗が、九州工業大学戸畑キャンパスに誕生しました。事前に登録した写真データを元に顔認証で入店し、欲しい商品をレジの横の台にまとめて置くだけで一括認識。24時間営業にも対応し、キャッシュレスで、いつでも気軽に買い物をすることができます。電気通信サービスを提供してきた当社が、無人店舗の開発に携わることの意義とは?システム構築などの開発秘話とともにみていきます。

MEMBER

chapter01

開発に秘められた社会貢献への思い

九州の通信インフラを支える企業として、“みなさまの暮らしが豊かに、光り輝くように”という当社の社会貢献にかける思いと、“未来思考キャンパス”を目指す九州工業大学の思いが重なり、無人店舗の開発プロジェクトが始動しました。

開発背景と意義

“未来思考キャンパス”とともに描いた豊かな社会に向けた挑戦!

当社のICT(情報通信技術)を活かして、九州工業大学と九州工業大学生活協同組合、地場企業の協力により開発した無人店舗。開発の背景には、キャンパス内で未来を感じ、創造する“未来思考キャンパス”の取り組みに加え、小売業界が抱える深刻な問題がありました。

中島

「無人店舗の開発プロジェクトは、九州工業大学が取り組む“未来思考キャンパス”構想の一環としてスタートしました。モノとモノをインターネットで繋ぐIoTによるスマートキャンパスやオンライン講義などの取り組みを大学に提案し、その中から選ばれたのが、学生のみなさんからのニーズも高かった無人店舗でした。多くの回線やソフトウェアを使用する無人店舗には、ICT技術が欠かせません。当社が電気通信サービスを展開するなかで培ってきた技術やノウハウを、大いに活かすことのできる機会となりました」

鐘ヶ江

「この開発には、もう一つの大きな意義があります。小売業界では人手不足が深刻化しております。近隣に小売店が無い山間部では、食料や物資の購入に不便を強いられる、いわゆる買い物難民と呼ばれる方が増えています。無人店舗の社会実装が実現すれば、そういった方々の負担を減らせるのではないか。開発スタッフたちは、大きなやりがいを感じながら作業に携わりました」
 こうして、店舗を手がけるという当社にとって初めてのプロジェクトがスタート。それは、人口減少社会における問題を打開するための、大きな一歩でもあったのです。

chapter02

AIによる画像認識率の向上に向けて

無人店舗のポイントとなるのが、AIを用いた画像認識技術。商品を台に置くだけで精算できるという便利なシステムの裏には、“決して妥協を許さない”という開発スタッフたちのプライドが隠されていました。

妥協なき開発作業

より高い精度を目指して、ベストを尽くす
システム開発に「終わり」という線引きはない

通常、機器やソフトウェアの開発は、基本設計→詳細設計→システム開発→テスト→ローンチ(立ち上げ)の流れで行われます。しかしAIの開発は先ほどの流れで進めるのが難しく、精度を維持、向上させるのにハードルがありました。

阿部

「無人店舗では、入退店の顔認証や商品認識をAIが行います。開発が進むにつれて認識率は向上していきましたが、商品構成に変化を加えると、AIエンジンの調整作業が必要となります。取り扱う商品が増えていく度に認識率を向上させる必要があるため、根気のいる作業が続きました。また認識率は、室内外の光の強弱など環境に影響を受けてしまいます。テスト環境では認識できても、店舗ではうまくいかないということもあり、AIエンジンの調整作業を何度も繰り返しました」

中島

「商品認識の精度を上げておかないと、カップラーメンをスナック菓子として認識するといったようなエラーが発生してしまいます。『ここまでやればOK』と線を引いてしまえば終わりですが、より認識率を向上させるために、オープン前日のぎりぎりまで作業を行いました」
 さらに、顔認証におけるプライバシー情報の取り扱いも重要な課題となりました。

阿部

「顔認証には、学生のみなさんの顔写真が必要です。個人情報であるため、第三者の当社が写真データを保管するわけにはいきません。そこで大学側と審議した結果、顔のデータを数値化し、特徴点を抽出するという手法(ハッシュ化)がとられました。そうすると誰が見てもただの数字の羅列でしかないため、当社でも扱えるようになりました」
 このように、スタッフの粘り強い作業と合理的な手法によって、システムは完成していきました。

chapter03

魅力あふれる店舗にするための施策

どうすれば快適に買い物をしていただけるだろうか。スタッフたちは、常にそのことを念頭に置きながら開発に携わりました。店舗の設置場所から外観デザイン、レイアウト、取り扱う商品まで、あらゆる面にこだわりが光ります。

快適性の追求

コンビニを回って、店内をじっくり観察
ときには生協の方のアドバイスも参考に

システム開発と並行して、建物の設置・建設作業も進められていました。しかし、初めての店舗開発ということで、さまざまな面で困難にぶつかることとなりました。

鐘ヶ江

「店舗開発では、キャンパス内のどこに店舗を構えるかという課題もありました。建物を設置できる候補地は複数あったのですが、お客さまにとって利用しやすい場所であることを優先して検討しました。最終的に新たに電源を確保してでも、利便性を重視するべきだという結論に至り、人通りの多い現在の場所に構えることにしました」

藤本

「外観のデザインに関してもかなり悩みました。私は以前の部署で通信局舎と呼ばれる通信用の建物を建設する業務に携わってきたため、電源や空調設備のノウハウを活かすことができました。しかし、街の景観に馴染ませることを重視していた通信局舎とは異なり、店舗は目立たせなければいけません。それでいてキャンパス内で浮かないようにする必要があったため、そのさじ加減を生協の方とご相談しながら決めました」

局舎との違いは、内装にも大きく現れました。快適性にこだわり、店内には細やかな配慮が施されています。

藤本

「出入り口の位置や商品棚の高さ、照明の明るさなど、店内設計に関しては、いろいろなコンビニを回って観察しました。また、取り扱う商品は大きなサイズのカップ麺など大学ならではのニーズのほか、商品の補充など運営面についても生協の方からご意見をいただき、参考にしました。さらに、九州工業大学が研究開発した殺菌作用(光触媒技術)のある壁を採用することで、衛生面や清掃の負担軽減にも配慮しました」
大学と生協の協力を得て、無事にコンテナの建設作業が完了。システムが組み込まれ、晴れてオープンを迎えることができました。

キャンパスの景観に馴染む外観
店内ではドリンクやお菓子などを販売
chapter04

小さなコンテナが秘めた大きな可能性

コンテナの中に積まれているものは、商品や最新テクノロジーだけではありません。当社の社会貢献にかける思いも、しっかりと息づいています。無人店舗の社会実装を見据えた挑戦は、すでに始まっています。

社会実装を目指して

いずれは、みなさんが住む地域にも?
買い物における困難を解消していきたい

後に、キャンパス内で無人店舗の店名が学生のみなさんに公募され、コンテナ(container)、利便性(convenience)、技術(technology)、九工大(kyutech)といった意味を含む「con-tech(コンテク)」に決定。学生のみなさんの“便利”のために、「con-tech」は今日も大活躍しています。

中島

「無人店舗は、24時間営業を行いやすいのがメリット。キャンパス内の生協は18時で閉店し、広大なキャンパス内にはコンビニなどがないため、学生のみなさんにはとても重宝されています。一方で、『パンや弁当も置いてほしい』といった要望が寄せられています。通常、商品1点を認識させるには何千枚という写真を撮りAIエンジンに学習させる必要がありますが、私たちが開発したシステムは、5~6枚も撮れば認識させられるという画期的なもの。この技術を活かすと同時に、商品認識の精度をより高めることで、商品の充実を図っていきたいと思います」

目指すは、無人店舗の社会実装。そのために開発チームは、ひとつひとつの課題と向き合っています。

中島

「社会実装の実現に向けて、コスト削減や設置場所の確保、運営方法、セキュリティ、ユーザビリティ(使いやすさ)の向上といった課題があるのも事実です。現在、解決策を模索すると同時に、『con-tech』で得られる意見やデータを継続的に把握し、技術を進化させることにも力を注いでいます」

鐘ヶ江

「無人店舗を実現させるには、やはり九州の企業、地域で展開されている小売店の協力は欠かせません。地域の方々と連携して、買い物における不便さやお困りごとを一日でも早く解消していきたいと思います」

スタッフの真心と商品を積んだ無人店舗が、みなさんの街に赴く。そんな素敵な未来を実現させるために、当社は小さなコンテナに大きな希望を託します。

(注)掲載内容は取材当時(2019年11月)のものです。

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