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STORY

教育機関向けIT化ソリューション

教育現場の高度情報化を実現する
ICT利活用教育の普及に取り組んでいます。

高度情報化が進む昨今、教育現場では無線LANや学習用パソコンといったICT(情報通信技術)利活用教育が進められています。当社では豊富なノウハウを活かして、さまざまな教育機関向けIT化ソリューションを実施。そのきっかけとなったのが、2016年にスタートしたある教育庁の案件です。最前線に立ったスタッフたちは、どのような意義を感じながら受注に繋げていったのでしょうか。教育分野における今後の展望とともに紹介していきます。

MEMBER

chapter01

教室で起きている問題を解決するために

2016年に、当社が初めて手がけた教育機関向けIT化ソリューション。プロジェクトの発足当初は、社内に教育機関向けソリューションに関する特別な経験やノウハウは十分にありませんでした。しかしメンバーたちは、九州の電力系通信事業者としての誇りを胸に、未知なる領域へ大きな一歩を踏み出しました。

受注までの課題

九州の電力系通信事業者として
教育現場の課題解決に臨む意義

この案件は、2018年の最終調達に至るまでに、調査業務や設計業務等の調達が複数回にわたって行われました。2016年の夏、最初に取り組んだのが、教育現場におけるネットワークセキュリティの調査及びコンサルタントの業務でした。

水田

「ICT利活用教育の普及が進められる教育現場では、子どもたちのプライバシーや学校の機密情報を保護するために、より強力なネットワークセキュリティ対策が求められていました。そこでまずは学校に足を運び、教員のみなさんに問題点などを伺って状況を把握。私はシステムエンジニアとして、教育庁との窓口となる中原さんを技術的な面でサポートしました。その後、文部科学省の制定したセキュリティガイドラインと照らし合わせながら、セキュリティに関する新たなルールを作成。ただ正直なところ、最初に中原さんからこの案件を聞かされたときは、どうなるものかと思いましたね。というのも、当社は教育分野に関するソリューションは後発だったんですよ」

中原

「ちょうど当社が、いわゆる“回線屋”のスタイルから脱却して、ソリューションの分野を開拓し始めた時期でした。コンサルタントや調査といった業務がほとんどなかっただけに、この案件が最終的に受注に至れば、当社にとって大きな実績になると確信していました」

水田

「当社はこれまでずっと地域に密着して、九州の通信インフラを支えてまいりました。そんな私たちが携わるからこそ、地域のみなさんに安心感を与えられるはずです。利益云々というよりは、社会貢献という気持ちで臨みました」

 メンバーたちは意気高らかに、いまだ経験したことのない一大プロジェクトに挑みます。しかし受注までの道のりは、決して順風満帆ではありませんでした。

chapter02

営業社員の情熱

メンバーたちは、プロジェクトの開始早々に挫折を味わうことになります。しかしその経験は、その後の躍進に繋がる貴重な糧となりました。彼らは一体、どのようにして現状を打破していったのでしょうか。

営業社員の苦労・挫折

問題点を徹底的に洗い出して再スタート
周囲との連携で、着実にノウハウを習得

2016年10月、請け負った調査内容をふまえセキュリティのルール策定などのセキュリティ強化業務の公示が発表されました。メンバー一同、自信をもってプレゼンに臨みましたが、残念ながら受注には至りませんでした。

中原
「夏の間、現場担当の方と一緒に、教室で汗だくになりながら調査をしました。そのため、当社がもっとも現状を把握し、現場の方と深い関係性を築いているという自負がありました。それだけに、受注できるだろうという慢心があったのかもしれません。さらに、提案書を最終的に誰が見て、受注先を決定するかを見誤っていました。私たちの意識は、完全に現場にしか向けられていなかったのです」
水田
「この失敗を踏まえ、さっそく提案書の改善に取りかかりました。研修会を行い講師の方に当社の提案書をチェックしていただいたところ、これでは通るはずがないという厳しいお言葉が…。書かれている内容が、“弊社にお任せいただいたらこんなにメリットがあります”と、自分たちが言いたいことばかりだったのです。“お客さまの要望をしっかり捉え、それに対しての答えを書く”という基本的なことができていませんでした」

その後、システムの基本設計の公示が発表され、再びチャンスが訪れます。受注に向けて、情報収集と提案書作成の日々が始まりました。

中原
「関係者の方のもとにこまめに足を運び、提案書の作成に役立つ情報を探りました。お客さまが求めていること、お客さまが抱える潜在的な課題を読み取り、できるだけ多く吸い上げていくのが私の仕事。節度を保ちながらもスピード感を意識し、水田さんにアウトプットしていきました」
水田
「教育機関の案件はとても複雑で、生徒のみなさんの個人情報を取り扱いながら、文部科学省のセキュリティガイドラインを守り、教育委員会、教員のみなさん、生徒のみなさんのそれぞれの意見を踏まえる必要があります。さらにこの提案は、競合他社主導で作られた仕様書に沿って行うという不利な状況でした。今思えば、試行錯誤を続けたあの2ヶ月間がもっとも過酷でしたね。しかし真剣に取り組んだ甲斐があって、状況を覆し受注を勝ち取ることができました」

敗因を追究し仲間と協力することで、挫折を乗り越えたメンバーたち。いよいよ最後の調達に向けて動き始めます。

chapter03

教育現場の役に立てることが原動力

失敗から得た膨大なノウハウ、知見を深めるための弛まぬ努力、体制強化によるチームワークを武器に、最終調達に臨むメンバーたち。原動力となったのは、IT化ソリューションにおける開拓者精神、そして教育現場への熱い想いでした。

営業社員のやりがい

3年越しの宿願を果たすために、
新戦力を加えて最後の調達に挑む

2018年、ついにシステムの詳細設計・開発及び運用業務委託の公示が発表されます。新たに加わった2名が中心となり、最終調達に向けての準備がスタートしました。

宮本
「QTnetに転職したばかりということもあり、薮田さんと協力しながら提案書を作成しました。以前はシステム構築の仕事をしていたのですが、プリセールスSEや提案書作成の経験がなく、教育関係の案件にも携わったことがありませんでした。周囲の方に支えていただきながら、資料をたくさん読み込み用語や知識をインプット。セキュリティガイドラインに関する情報は、文部科学省だけでなく総務省が出したものも参考にするなど、工夫しながら知見を深めていきました」
薮田

「水田さんが作成してくださったフォーマットに、パーツを埋めるだけの状態ではありました。しかし、どのような点をアピールしていくかに苦戦。セミナーに通ったり、社内やパートナー会社の方々にアドバイスを伺ったりしました。従来の提案は営業部門だけで行われていたのですが、幸いなことに、その頃、社内の体制が整えられ、設備部門と連携できるようになっていました。技術的な知識について、サポートが得られたのは大きかったですね」

関係者全員が固唾を呑んで見守った結果は、見事に受注。知らせを聞いた瞬間、よろこびだけでなく責任感や重圧など、さまざまな思いが胸に去来したといいます。

薮田

「教育システムという、QTnetとして初めて取り組む分野だったため、未知な部分がたくさんありました。しかし、ソリューションの核となるプロジェクトとなるだけに、改めてやりがいと責任を感じました」

中原

「2016年から続けてきた努力が、ようやく実ったという達成感がありました。しかし、通信業界やインフラの世界は変化が絶えません。教育現場も今後様々な形へ変化していくと思います。現状に満足することなく、これからもよりよい仕組みを提案していかなければいけないと、気持ちを引き締めました」

結果に慢心することなく、メンバーたちはすでにその先を見据えていました。

chapter04

教育×IT、通信事業者ができること

一連の調達は、多くの関係者のみなさまに、QTnetのソリューション事業を改めて認知していただくきっかけとなりました。しかし教育機関に向けた挑戦は、まだ始まったばかり。メンバーたちは、次のステップへと駆け上がりました。

今後の展望

快適かつ安全な教育環境の構築を目指し
IT化ソリューションの可能性を追究

プロジェクトの成功が与えた影響は計り知れません。IT業界や教育分野で話題となり、新たな展開へと繋がりました。

中原

「現在、教員のみなさんの出退勤を把握するシステムなど、今回の調達でとれた基盤に付加価値をもたせる案件が進行中です。一方で、ほかの自治体においても、システム開発やセキュリティのコンサルタント業務の受注が決まっています。また、他社様からも提案の協力依頼をいただいています。今回の調達を機に、横の展開が急速に進んでいます」

水田

「うれしいことに、今年度は提案書を作成した案件の8割を受注できています。レベルの底上げに努めてきた、これまでの成果が確実に現れています」

宮本

「業務にとどまらず、社内における知識の横展開も、水田さんから私たちへと進みました。これからは、私が若い社員たちに展開していく番だと自負しています」

小学校でプログラミングが必修科目になるなど、世の中は高度情報化社会へと変化しています。メンバーたちは今回の経験をもとに、これからも教育現場に向き合います。

宮本

「児童生徒に1人1台の学習者用PCと高速ネットワーク環境を整備する『GIGAスクール構想』が、文部科学省によって掲げられました。子どもたちが将来、ICTを活用したよりよい教育を受けられるように環境を作っているのだと思うと、大きなやりがいを感じます。私も小さな子どもをもつ親なので、その気持ちはなおさらです」

中原

「新たなシステムを導入することで、教員のみなさんの負担を減らせるため、教育現場における働き方改革のお手伝いであるとも思っています。結果的に、生徒のみなさんと触れ合う時間を増やせるのではないでしょうか」

薮田

「そのためには、やはりお客さまとの信頼関係が大切です。提案と構築は数年で終わりますが、保守と運用は長いスパンで続いていきます。私は部署異動を経て、現在は保守・運用部門に在籍しています。お客さまと接する期間が長いため、しっかりと信用を育んでいきたいと思います」

水田

「現状では、ICT機器の利用に積極的でない教員の方もいらっしゃいます。ITリテラシーにも差があるため、利活用の推進と意識向上を目的とした働きかけが必要と考えています。インフラを作って、それで終わりではありません。どのように活用してもらうか?そのためにはどうすればよいか?を思考する必要があります。教育現場におけるITソリューションは、これからも続いていきます」

万全の環境で、子どもたちが安心して学べるために。笑顔に満ちた教室を思い描きながら、私たちは高度情報化社会のインフラを、ここ九州から支えていきます。

(注)掲載内容は取材当時(2020年)のものです。

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