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STORY

九州初IX
「QT PRO インターコネクト」

福岡を日本のインターネット接続拠点に!
時代のニーズに合わせた新サービス

東京・大阪に続くIXの接続拠点として、福岡が注目されています。
QTnetは2020年12月に、IX事業者との接続を可能にする「QT PROインターコネクト」サービスを開始し、、自社データセンター内にIX事業者を誘致しました。
なぜこのタイミングで九州(福岡)にIXが必要だったのでしょうか。
そして、誘致に成功した理由とは?

プロジェクトに携わったメンバーに話を聞きました。

MEMBER

chapter01

なぜ九州にIXが必要なのか?

これまでの主なIX接続拠点であった東京・大阪に加え、九州(福岡)にIX接続サービスがなぜ必要だったのでしょうか。その背景には近年のインターネットを取り巻く環境の変化がありました。

長年の構想を始動すべき
タイミング

インターネット環境の変化、データセンターの存在。
チャンスを掴む材料が揃った

世界に存在するさまざまなISPやデータセンター、コンテンツサービスプロバイダ等のネットワーク相互接続を可能にするIX。これまで日本国内のIXは東京・大阪に集中していたため、当社をはじめとする九州のISPやCATV事業者がIX接続を行うには、東京・大阪までの中継回線を自前で準備する必要がありました。そこで、2020年12月、福岡を新たな国内のIX拠点にすべく、九州初となるIX事業者との接続サービス「QT PRO インターコネクト」を開始。このタイミングでIXを福岡に展開することに大きな意味がありました。

西田

「私は入社当時からIXに興味を持っていて、このサービスの導入を発案しました。当社もISPとしてIXを利用していることもあり、いつか福岡にIX拠点をとひそかに考えていたのです。2018年に参加したとある研修で、会社内での事業の立案・実現のプランを作成するという課題があり、そこで作成したのがIXを福岡で実現するというプラン。九州にIXがあれば…。そんな思いを常に抱き、九州にIXを誘致したい、という想いは高まってきました。しばらく温めることになるのですが、2019年7月に同じ九州電力グループのキューデンインフォコムと当社が合併し、当社がデータセンターを保有することになりました。私は「IXに必要なピースがはまった」という感覚があって、IX誘致に本格的に取り組もうと動き出しました。」

安藤

「実は十数年前からIX誘致の構想はあったのですが、その時はあまりメリットが感じられず、話は立ち消えになっていました。ところがここ2~3年で動画配信サービスやオンラインゲームの利用が増えたり、コロナ禍でテレワークやオンライン授業などが盛んになったりして、インターネットトラフィックは急激に増えてきました。そのため、インターネットサービスを提供する事業者はコスト抑制の課題が重くのしかかることになりました。福岡にIXができれば、九州のISP、CATV事業者は東京・大阪への中継回線のコストを抑えることができます。さらにIXまでの物理的な距離が短ければ短いほど通信速度は安定します。事業者にとってのメリットも大きいですが、ネット回線の安定などの面でエンドユーザーに一番メリットを感じていただけるのではないかと思います」

chapter02

少数精鋭で進められたプロジェクト

IX接続サービスの運用開始に携わったのはわずか6名の社員。大きな注目を集めるほどのプロジェクトでありながら、最小限の人数で進められたことには理由がありました。

同じ意識をもった6人が集結

“福岡を日本のIX拠点の中心に”
一つの思いがみんなを動かした

通常なら、時間をかけて進められる規模の一大プロジェクト。ところが今回は6人という少人数、しかも社内にもシークレット?で計画が進められることになりました。

西田
「世界の主要なIT企業は日本における拠点として、東京・大阪の次は福岡に注目しています。先行して環境を整えておかないと、いざ話が来たときにチャンスを逃してしまう。そのためにも、このプロジェクトは早めに実現すべきだと考えました。そこで、通常であれば会社のしかるべき部署で進めていく案件を、私がプロジェクトを作る宣言をし、技術者の安藤さん、データセンターの知識が豊富な営業担当の木藤さんたちと進めていくことになったのです」
木藤
「私はキューデンインフォコムでデータセンター事業に20年以上携わってきました。データセンターには強い武器が必要です。IXはそれになり得ると思い、IXプロジェクトの話を聞いた時に参加したいと自ら手を挙げました。そして私が、同じチームメンバーの岩﨑さんを巻き込みました(笑)」
岩﨑
「法人営業部では私のほかにあと2人、プロジェクトメンバーがいます。私は『QT PRO インターコネクト』のサービスの組み立てやリリース、広報を担当しました」
安藤
「技術者として初期から携わりました。QTnetが通信事業とデータセンター事業の両方で収益を上げるためにまず考えつくのは、やはりインターネット関連サービス。私たちはIXを実現するだけでなく、西田さんが話したように、福岡にインターネットの一大拠点を作ることを目指しています」
西田
「実現したいと強く思った6人が集まり、同じゴールを描けたことが検討のスピードを推し進めたのだと思います。いざ始動すると、IX事業者も福岡への展開を考えていたタイミングだったこともあり、どんどん話が進みました。また、私が国内のインターネットやネットワーク技術の運用者が集う『JANOG(JApan Network Opetators' Group)』に長年参加していて、IX事業者の方と関わりがあったというのも功を奏しました」
木藤
「西田さんがいなければこの話はなかったと思います。同じ業界の方々と良好な関係を築いていますよね」
安藤
「プロジェクトの情報は社内でも関係者外秘として取り扱っていたこともあり、少人数で進めていたのですが、社内外の関係者との調整事項が多すぎて、サービスにこぎつけるまでは苦労しましたね」
西田
「通常であれば専任のプロジェクト体制を組んで、時間をかけて検討する規模の案件なのですが、勢いで始めてしまったので…。しかし当社には社員の挑戦を応援してくれる雰囲気があるんです。社長の年頭挨拶の内容も『やってみよう』ですからね(笑)。トップがそういう方向性を示してくれるので、チャレンジしやすかったというのもあります。一部の方には報告しながら進めていましたし、会社として目指す方向と一致していたので、そっと見守ってもらえたのだと思います。また、3年ほど前に上司から『これからは社内の事だけでなく、日本のインターネットを俯瞰してくれ』と言われた言葉がずっと心に残っていて。今回のプロジェクトでも、苦しい局面ではこの言葉を何度も思い出しました」
chapter03

サービス開始がスタートライン

苦労もありつつ、無事に運用が決まった「QT PROインターコネクト」サービス。一つのサービスとして会社で運用していくには各所の調整が必要になります。

社内調整に苦労

以前は異なる会社が運営していた
サービスをまとめる難しさ

サービスを作り出すということにはさまざまな壁を乗り越える必要があります。これまでどのような点が一番大変だったのでしょうか。

一同
「今もずっと!大変です!」
木藤

「IXはデータセンター事業を行うキューデンインフォコムとQTnetが合併したからこそ実現したサービスです。データセンターの中に通信サービスを取り入れることになるため、データセンタースタッフと技術のスタッフが意識を合わせて運用する必要があります。元は異なる会社のスタッフなので、仕組みや組織の気質などもそれぞれ。それを一つにまとめて運用を考えるのが大変でした」

安藤

「新しいサービスを作る時、どの部署にどの仕事を分担するのか、業務フローを明確にしながら作るのはとても重要な作業です。今回のIXはさまざまなサービスの集合体なのでより一層苦労しています。サービスがないところは新しく作らないといけませんし、あるところには紐づけが必要となります。いま、まさにそれをやっている最中です」

chapter04

今後のIXの未来

「IX接続サービスの実現がゴールじゃない」と口を揃えるプロジェクトメンバー。彼らが見つめるIXの未来はどのようなものなのでしょうか。

会社を支える3本目の柱に

社内外の認知度を高め、
IXの素晴らしさを広めていきたい

これから本格運用が始まる「QT PRO インターコネクト」。プロジェクトメンバーはこのサービスの将来性に大きな期待を寄せています。

西田

「サービスが無事開始して一区切りは付きましたが、これで終わりではありません。成果が目に見えはじめるには少なくとも3~5年程度かかるでしょう。IXは多くの事業者に利用してもらってこそ価値が高まるので、どう発展させていくか考えていく必要があります。東京・大阪に肩を並べることができるよう頑張っていきたいですね」

安藤

「福岡IXの発展は、いまのところ未知数です。でも私は、『QT PRO インターコネクト』をはじめとした福岡IX関連サービスは、当社のBBIQや、『QT PRO VLAN』に次ぐ、収益の柱になり得るサービスだと思っています」

岩﨑

「私も、データセンター事業と回線事業の相乗効果が得られるサービスだと思います。また、知れば知るほど、QTnetをさらに発展させる存在になると確信しています。営業の幅も広がりそうです」

木藤

「営業としてはこれからが本番ですね。ここ1~2年が勝負です。福岡は日本の中でも気象災害リスクが低い都市です。データセンターには安全性が重視されるので、そういった側面もアピールしていきたいです」

IXの魅力を伝えるのは社外だけではありません。社内にももっと周知が必要だと考えます。

安藤

「これまでは対九州だったお客さまが、インターネット事業者の誘致を通じて全世界に広がっています。これからは、海外のお客さまにも福岡に魅力を感じていただくことが求められます。そういったことはまだ一部の社員しか認識できていませんし、IX自体が理解されていない部分もあるかと思います」

木藤

「まずは私たち営業推進チームが部内にIXがどれだけ素晴らしいものかと説明しないといけませんね」

西田

「社内に向けてもどんどん発信していきましょう。これまで九州の通信事業者だったのがワールドワイドになる可能性があるなんてワクワクするじゃないですか。きっと社員みんなの世界観も変わると思います。もちろん収益も大事ですが、まずは日本のインターネット拠点となるべく接続数を増やすのが一番ですね」

安藤

「そのためにはタダ同然で売っても…」

岩﨑

「ダメッ!タダは絶対にダメです(笑)」

部署間を越えてミッションを達成した仲間たち。一つの思いを共有し、絆を深めたプロジェクトメンバーが描くIXの未来は希望の光に満ちています。

(注)掲載内容は取材当時(2020年)のものです。

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